長寿の秘訣はテニスをすることかもしれない、テニスを日常生活に取り入れることで平均余命を10年近く延ばす可能性があるという研究結果が発表されたのです。
今までに、科学や医療の分野で運動が長生きに効果的だということは研究で明らかにされています。新たな調査結果を発表したデンマークと米国の研究者からなるチームは、デンマークで行われている大規模なコホート研究「コペンハーゲン市心臓研究」の健康な参加者2万人のうち、1990年代初めに研究に参加した人を特定し、さらに設定した様々な条件に該当する8577人を対象として平均余命への影響を明らかにするのに十分な期間といえる約25年間の行動について調査を行いました。研究チームが調査対象としたスポーツは8種類。調査の結果、テニスをしていた人の平均余命は、運動不足の生活をしていた場合より9.7年長くなっていたことが分かりました。その他のスポーツによって延長された平均余命の年数は次のとおりです。
研究チームは、テニスにこれほどの効果があるとは意外だったと述べていて、運動する時間の長さと効果の大きさの間に相関関係がみられなかったことも、驚きの結果だったと言っています。テニス・バドミントン・サッカーの効果が大きかった理由の一つとして考えられるのは、これらは調査対象に含めたその他のスポーツとは異なり、2人以上で行うものだということです。これには社会的交流を伴うという特徴があります。これについて研究チームは、「定期的に集まるグループに属していることは、支え合い、信頼し合い、共有し合う人たちがいるという気持ちを強める。これらは幸福感につながり、長期的な健康を促進するものだ」と説明しています。また、テニスのプレーに伴う運動のタイプが影響している可能性もあるといいます。ゆっくり安定的な動作をするスポーツよりも、短時間に高強度の運動を行うスポーツの方がさらに効果的であるとも考えられているためです。
2018年英国で行われた大規模な研究でも、「全死因死亡率の低下に最大の影響をもたらすスポーツは、ラケットスポーツだ」との結果が示されています。それに次いで効果的だとされたのは、水泳とエアロビクスでした。
これはテニス業界にとって、何よりも皆様にとって嬉しいニュースではないかと思います。上達することだけではなく、生涯スポーツとして健康のために、寿命のために無理せずにテニスライフを共に楽しんでいきましょう。